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明日の始まり~日本一周の旅へ出発~

2020/09/19

「出発だ!」

 

僕らは大急ぎで車に飛び乗った。

「4ヶ月お世話になった家の前で、出発前に写真を撮ろうか」

なんて話してたけど、そんな時間は微塵もなかった。

荷物をとりあえず後部座席に乗せていって、京都から宮崎に来たときよりかは余裕があったが、それでも車は荷物は溢れかえっていた。

 

「私たちらしいね」

舞が笑って言った。

 

「俺たちらしい旅のはじまりだね」

僕も笑って言った。

 

ちゃんとまとめたら座席の下にしっかり収まる荷物の量で、厳選に厳選を重ねたのだったが、しまうよりも出発するのが先だった。

まず向かうは友人の待つ宮崎市内。

大好きなリッキーGの曲を流しながら夜の高速を走っていった。

僕は夜の出発が好きだ。

思えば、はじめての海外への1人旅も出発は夜だったし、インドで一番楽しみにしていたバラナシに向かう時も真っ暗闇を進む寝台列車だった。

 

夜からの旅がはじまるときはいつだって同じ気持ちが湧いてくる。

先の見えないドキドキと、それ以上のワクワク。

このふたつの気持ちが宇宙ロケットのスピードで、瞬く間に交差していく。

雲が分厚い夜の日には全てが真っ暗になり、右を見ても左を見ても、どれだけ目をこすっても何にも見えやしない。

心躍り続ける楽しいことが待っているのか、立ち上がれなくなるくらいの恐怖や絶望が待っているのか。

そんなことも分からない。

 

でもただ一つ言えるのは、前に進んてみないと分からないということ。

 

前に進んで進んで、真っ暗な分厚い雲をかき分け進んだ先に無数の出会いと新体験が待っている。

その出会いと新体験はきっと僕らを成長させるだろう。

そしてその出会いと新体験が、僕らにとっての心地よいホームへと導いてくれるだろう。

日本一周住むとこ探しの旅、いよいよスタートだ。

 

旅に出ることを誰よりもワクワクしてくれている舞に感謝。

旅について来てくれるあかりちゃんに感謝。

 

そして旅を応援してくれるたくさんの友人、恩人、家族に感謝。

みんなありがとう。

 

夜の後には必ず朝日が登るように、不安や苦しみで終わる世界なんてどこにもない。

夜は今日の終わりではなく、明日の始まりだ。

その始まりを楽しまないでどうする。

 

ガンジス川へ向かう真っ暗な寝台列車でインド人の目だけがギラギラ光って、正直怖くて眠れなかった。

それでも朝が来て到着し、列車から降りあの熱気爆発の街に降り立ったときの感動と喜びは今でも忘れられない。

 

24時間全てが非日常で、ばんばん焦ってばんばん成長していく溝口家族をどうぞよろしくお願いします。

 

さあ、新たな旅へ出発だ。

Photo & Written by 溝口直己

 

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