新体験バンザイ~キャンピングカー全塗装後半~
2020/09/6
僕は普通の人よりだいぶ不器用な自信がある。
前回の記事に載せたように、ネジを逆回転にしてネジ穴を溶かし、ネジは真っ二つにねじ切ったり。
コンタクトは誰も見たことが無いような入れ方でしか目に入れれない(舞がそう言っていた)。
一時期はどこに行っても知らずにペンを持って帰ってしまっていたり、ズボンのチャックは8割開いている。
そんな僕が車の全塗装だなんてできるのか?
と誰だって思うと思う。
一番近くで不器用さを見ている舞からしたら、だいぶ心配だったと思う。
そんな僕が人生で求めているもの。
それが”新体験と失敗”である。
「まだ体験したことのないことを喜んですること」
これこそが僕の生きる理念だと、コロナが広がり旅の準備をしているこの3ヶ月で改めて知った。
誰だって新しいことをするのは好きだと思う。
キャンプであれ、サーフィンであれ、まだ食べたことないのを頼むときだって。
しかし、体験したことがないことは必ずセットで失敗がついてきて、
このセットでついてくる”失敗”をするのが、大人になるにつれ、いつの間にか「失敗したくないな」「失敗したら恥ずかしいな」というマインドになってしまう。
僕が初めてサーフィンした時、サーフィンの板につけるフィンが逆になっていることを知らず、横のお姉さんに「フィンが逆になってるよー」と優しく声をかけてもらったのに、恥ずかしすぎて海から飛んで出たことがある。
別に初めてのことで、そんな失敗しても全然いいはずなのに、なぜかそんな自分が恥ずかしくて、またそんな自分が許せなくなって。
僕が笑い飛ばせばいいのに、ネタにしてくれる舞に当たったりもしてしまっていた。(舞、ごめんね)
でも、宮崎に来てほぼ24時間あかりちゃんと一緒にいることでたくさん勉強させてもらうことがあった。
あかりちゃんは現在1歳半。
宮崎に移った5月頃はまだはいはいでしか移動できず、立つのは掴まり立ちがやっとだった。
それが今や歩くどころか走り回る日々。
そこまですんなりいけたかといえばとんでもない。
掴まり立ちから立とうとする時、一日何十回転んだことか。
立てるようになってから、一歩を踏み出せるようになるまで、何度全身を床にぶつけたことか。
歩けるようになってから、走れるようになるまで何度、足や頭を擦りむいたことか。
でもその中でも彼女は一回も、自分の失敗を恥ずかしいと思ったことはないだろう。
転んで泣いたりはもちろんしたが、それ以上に笑っていたと思う。
彼女にとっては立つ、歩く、走るは未知の体験、新体験だったはずだ。
だが何の迷いもなく、その新体験に臨んでいった。
喜んで向かっていったのだ。
その姿勢を見て僕は感動し、
「まだ体験したことないことを喜んですること」
を人生の理念に据えた。
正直、初めての車の全塗装はかなりハードなものになった。
優くんにも手伝ってもらったが夕方までにはもちろん終わらず、あかりちゃんを寝かしつけての朝6時まで徹夜で舞と終わらせた。
疲労と眠さで二人とも倒れる寸前だったと思う。
全ての時間楽しめていたかと言われたら、Yesと答えられる自信はない。
でもこれだけは言える
「僕らはまだ体験したことのないことを喜んでしました」
と。
僕らにとって最高の車が出来上がりました。
名前はLuna
日本語で”月”
という名前です。
みなさんよろしくお願いします。
(台風明けたら自然の中で撮ろう)
Photo & Written by 溝口直己