一番言いたくなかったこの言葉。
2020/05/29
「時間がない」
この言葉とは縁がないと思っていた。
どんな状態でも時間は作れると思っていた。
結婚してからはもちろんあかりちゃんが生まれてからも、早起きを早めて6時から5時、最近は4時に起きては自分の仕事の時間、クリエイティブな時間を確保していた。
だが最近あかりちゃんも5時半過ぎに起きてくるようになり、早朝から一緒に遊び、散歩に行くようになった。
絵本を読んだり、公園に行って滑り台で遊んだり。
それはそれは幸せな時間だ。
朝ごはんを食べてからも、昼ご飯を食べてからも一緒に遊んだ。
気づくとすぐに夜になり、もう寝る時間。
遊び疲れてヘトヘトになり、気を失いそうになりながら布団に入る。
宮崎に来てから約1ヶ月、その生活が続いていると
「今日、僕は何をしていたのだろう?」
と思うようになっていた。
車の内装デザインや、外装も色もはっきり決まっていない。
旅の準備も何一つ進まない。
これから初めていく新しいアイデアもストップしたままだ。
もちろん分かっている。
僕らが望んでいる生活は、一つ一つの作業に時間がかかるということも。
食べたい食材の調達から料理、布おむつを一枚一枚洗っていくのも自分たちがやりたいからやっている。
あかりちゃんと一緒に過ごし、その成長を直に感じれる幸せは何にも変えられないとも分かっている。
分かっているのだが、この生活が続いていくと「旅の準備やクリエイティブの時間がほしい」と思う自分がいた。
今の毎日は、生きているだけで精一杯になっていたから。
「時間を生み出したい」
昨日の夜、そう考えていたときに舞が話しかけて来た。
「時間を作りたいの」
思っていたのはお互い一緒だった。
それから早速、決めた。
一日のうち3時間ずつ外に出て、お互いに仕事を進めていく。
まず、僕は新しいアイデアの具体化、舞は車の内装・外装デザイン。
どちらかが外に出ている時は、どちらかが家のことをする。
どっちが上とかはなく、外に出てても家にいてもどっちも仕事。
どちらも暮らしの一部であり、暮らし自体が仕事だから。
このスタイルで始め、試行錯誤して自分たちに合う形を探しくことにした。
「妻である前に、母である前に、まずひとりの女性として生きる」
僕らが好きなハニーに書いてあった言葉。
夫である前に、父である前に、まずひとりの男性として、自分を満たす人生を生きよう。
この時間はこれからの暮らしのスタイルを支える幹を育てる大切な時間。
1日3時間をフル活用して、成長してまた家に帰ってこよう。
Photo & Written by 溝口直己