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奄美大島のジャングルにて

体験とは信頼である

2020/01/17

お金より大切な体験と信頼

 

「このお兄さん、自分が体験したことを話してくれるから信頼できるね」

アルペンアウトドア宇治に行った時に舞ちゃんが口にした言葉がここ何週間も胸に残っていた。

 

僕らは1月の冬のキャンプに行くために、寝袋を探していた。

インターネットで検索してよく出てくるものは値段が4,000円ほどでなんと−15°まで対応しているという。

怪しすぎる…

しかし他のサイトを調べても、その寝袋が何回も出て来て高評価を得ているのだ。

僕らもこの値段の安さとネットでの高評価につられて、アルペンアウトドアに向かった。

早速寝袋コーナーでその寝袋を見てみる。

表記では確かに−15°対応となっている。

他の寝袋も見てみる。

値段が5倍ほどするものが0°対応となっている。

 

考えても分からず、頭がパンクしそうな時に舞ちゃんが店員のお兄さんを呼んでくれた。

舞ちゃんはどこに行っても店員さんの引きがずば抜けていい。

その方はもう素晴らしかった。

 

「その寝袋だと確実に死んでしまいますよ」

僕らが今にも買おうとしていた寝袋を見て笑って話してくれた。

「寝袋の温度表記は自由に決められるんです」

唖然となった。

温度表記がそんな曖昧でいいのか。

「その温度を信じて真冬にキャンプに行った人が、どんな思いをするだろうか?」

少し腹さえ立ってきた。

 

それからお兄さんは、寝袋のことを丁寧に、僕らみたいな初心者でもわかるように教えてくれた。

キャンプに行った時の写真や、ランタンがとにかく好きなこと、冬のキャンプで絶対に必要な物などもたくさん教えてくれた。

どんどん僕らはお兄さんのことが好きになり、もうお兄さんのいうことならなんでも聞きますというくらいまで信頼度がましていた。

 

「どうしてそんなに詳しいんですか?」

舞ちゃんが質問した。

 

するとお兄さんは笑って答えてくれた。

「僕はここに入るまでキャンプも行ったことなかった。けど入ったからにはまず自分がキャンプに行って経験してみないと、お客様に何も伝えることができない。だから僕は週3はキャンプに行ってましたよ」

 

その言葉を聞いてもう感動している自分がいた。

全くキャンプ道具なしから初めて、週3でキャンプに行ったら誰が考えてもわかる通り、お金は全てキャンプに消えるだろう。

だが、お兄さんは自分お金より体験を大事にすることを選んだ。

 

その結果、今の時代でお金よりも大切な”信頼”を得ることができたのだ。

 

お金はもちろん大事だ。

何をするにもお金はある程度必要になる。

でもそれ以上に大切なのは信頼。

 

そのお兄さんと別れた後、もう一つ聞きたいことが出て来て近くの店員さんに聞いた。

店員さんは必死に商品の詳細を探していて、その詳細に書いてある通りのことしか教えてくれなく、僕らは2人で苦笑いになった。笑

 

「僕らもお兄さんみたいに、自分が熱中できるものだけに時間とお金を注ぎ、経験を増やしていこう」

帰りの車の中、僕らはこれからの旅の話に夢中になった。

 

PS.

スノーピークの寝袋をおすすめされたので、アメリカ旅の時に仲良くなったすばるさん(スノーピークギアを買うときは全てお願いしている)のところで最終買った。

そこで、すばるさんはさらに家族におすすめの布団型寝袋を勧めてくれた。

 

「この前の12月に、それでキャンプ行ったけど、半袖半ズボンで眠れたよ」

と、ここでも自分の経験を分かりやすく話してくれた。

経験の話は最高だ。

 

Written by 溝口直己

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