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家族写真撮影のO様ご家族

家族写真は超大作のシリーズ映画である。

2019/08/14

家族写真を毎年撮影するのは超大作シリーズ映画である。

 

私は現在プロのフォトグラファーとして、ロケーションの出張家族写真をメインで撮影しています。

家族写真とはその名の通り家族が集まって撮る写真のことです。

これまでは子どもが産まれてからのお宮参りや成長を祝う七五三、二十歳の成人式の撮影が一般的な家族の写真の恒例行事でした。

撮影する場所も神社か大手写真スタジオのほぼ二択で選ばれていたと思います。

しかし今回私は、上記の行事以外でも毎年の家族の写真を残していくよさを伝えたくてこの文章を書いています。

京都の南禅寺水路閣での家族写真撮影

 

私自身、昨年結婚し今年の2月には長女が産まれ、家族の写真を残していく意味についてさらに考えるようになりました。

そして私は、家族写真は超大作シリーズ映画だ!ということにたどり着いたのです。

 

超大作シリーズ映画を好きな人は、様々な要素があると思います。

ストーリー性、描写性、キャストが好き、原作が好き、毎回の連続性など人それぞれ。

中には吹き替えの声が好きなどのファンもいるのではと思います。

 

その中で超大作シリーズの映画を見ている人は、自分が好きな要素+キャストの本来の成長過程も楽しみにしているということはないでしょうか?

 

例えば誰もが知っているハリー・ポッターシリーズは2001年に1本目となる「ハリー・ポッターと賢者の石」が公開され、完結の7作目「ハリー・ポッターと死の秘宝PRAT2」の公開は2011年と10年にも渡って上映されてきました。

 

私はハリー・ポッターシリーズが大好きで全作見ていますが、毎回の内容はもちろん、ハリー・ポッター役のダニエル・ラドクリフやハーマイオニー・グレンジャー役のエマ・ワトソンの彼ら自身の成長も楽しみで見ていました。

「身長が伸びたな」とか「髪の毛の癖が前回と変わっている」など毎回見ることによっての楽しみ方もできるようになるのです。

 

原作である本も大好きではありますが、キャストというのはなく本の中の登場人物の顔や声は、自分で想像していくことになります。

それだと内容は楽しめますが、登場人物のリアルな成長を楽しむにはかなりの想像力が必要になります。

 

それに比べて超大作シリーズの映画はその時の内容だけでなく、前回、前々回からのキャストの成長も一緒に楽しめます。

そして超大作シリーズ映画の内容だけでなく成長も楽しめることこそ、毎年の家族写真を残していくこと繋がると思うのです。

福岡県筑後市での家族写真撮影

 

これまでの家族写真の恒例写真は主に子供の成長を祝ったものでありました。

産まれて初めて産土神に参詣しその土地の一員となったことを認めてもらうお宮参りで、ご祈祷が終わってから境内で写真撮影。

子供の時代を終え大人の仲間入りを自覚する成人式に行く前に、家族とスタジオで記念写真を撮ってもらうなどお祝いの記念で写真を撮ることが多かったです。

 

最近では、米寿のお祝いに赤いちゃんちゃんこを着て写真を撮ったりという機会も増えてきましたが、まだまだ世に知られているのは子供中心の成長の写真撮影です。

 

そこに私は大人の成長も楽しめる家族の写真を勧めたいんです。

料理教室に行って新しい料理が作れるようになったり、好きだった登山家の講演会に行き自分も山に登るようになったり。

また初めて行くカレー屋に少しドキドキしながら入って行ったり。

 

そんなほんの小さな経験が人の表情や仕草に現れ、写真を取る際にも如実に出てきます。

筑後市の田んぼ前でおじいちゃんの写真

 

子どもの成長は目にはっきり見えていて非常に分かりやすいです。

しかし大人も日々ほんの少しづつでも確実に成長しているのです。

 

その毎年変わっていく子どもと大人の両方の変化を残していくのが家族写真であると思います。

毎年撮るからこそ分かる変化や、10年間撮影してきたからこそ繋がるドラマがあると思います。

 

そしてその変化を感じられるのはスタジオでの写真撮影ではなく、家や外で撮る自然体な写真撮影です。

小さい頃から過ごした家や近所の公園、年に一回の恒例のキャンプでの家族写真など普段の延長線上にある撮影の時により人の本来の人格がでます。

 

スタジオでの写真もしっかり記念として残せる良さがありますが、私はもっと日常の中や好きなことをしている時間の家族写真を残したい。

それは人が自分が好きな場所にいるときや好きなことをしている時に出る、最も輝いている感情も一緒に撮りたいからです。

万博記念公園の新緑の中で家族写真

子供が走り回って転んで泣いたり、水たまりで遊んで泥だらけになったりのハプニングもあるかもしれません。

でも来年には水たまりで遊ばなくなっているかもしれない。

もしかしたら父親が釣りにはまって毎週水の中で遊んでいることだってあり得るのです。

その年の生き方はその年で完結し、先に進むこともたくさんあります。

 

ならば生き方ごと写真に残しませんか。

家族とは発展途上国のようなもので、紆余曲折しながら毎年確実に成長していっています。

何年か経って今までの家族の成長を見返すのを、楽しみの一つにしてはどうですか?

 

何度も見た超大作シリーズ映画を最初から最後まで見返したくなる日がくるように、家族写真撮影も人生で見返したくなる時が必ず訪れるでしょう。

いちごハウスの中で米寿のお祝い写真

Photo by 溝口直己

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